脳に関するトピック カンデル日本語訳(翻訳) pdf 神経機構 心理学
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脳に関するトピック
 このページは私の記憶を助けるために作成されていますが,日本語で書かれているため, 検索を掛けた日本の研究者の目に触れることもあると思います.その際に,誤った記述が あると,日本人の学力低下を助長するコンテンツになってしまうため,皆様のご鞭撻は 常時,承っております.なにとぞご指導下さい.また,リンクも歓迎です.文責 澤 繁実

/リンク/ Minimum Psychology 岡山大学文学部/ 神経細胞諸元 名城大学薬学部/

/Principles of Neural Science 4th Edition
(プリンシプルス オブ ニューラル サイエンス)の日本語訳(通称:カンデルの翻訳)/
01章 The Brain and Behavior/ 02章 Nerve Cells and Behavior/ 07章 Membrane Potential/ 13章 Modulation of Synaptic Transmission: Second Messengers (Power Point File)/ 17章 The Anatomical Organization of the Central Nervous System (Power Point File)/ 24章 The Perception of Pain/ 32章 Smell and Taste: The Chemical Senses/ 45章 Brain Stem Modulation of Sensation, Movement, and Consciousness/ 60章 Disorders of Thought and Volition: Schizophrenia/

/もくじ/ / / / / 極限の定義/ 形式概念解析/階層分析法:AHP/ウェーバーの法則/フラクタルとベキ分布/ 脳部位とその機能・投射関係/単語認知に関する知見/意味ネットワーク/ オントロジー/概念の表現/眠気と前頭前野の相関/ 脳内可視化技術/オートマトンと形式言語/ブローカ野/ 言語優位脳/シグモイド関数/作業記憶/ サーカティアンリズム/一語文期/子供の能力成長/ 共感覚/カオス/ペンローズ予想/ おばあちゃん細胞/チューリングテスト/中国語の部屋/ 参考文献/



極限の定義(Definition of Limit)
 f(x)はxの関数.abs(x)はxの絶対値.任意のεに対し,δが存在し,0<abs(x-c)<δ ならば abs(f(x)-L)<abs(ε) を満たす 時,xをcに限りなく近づけた時のf(x)の極限Lという.これを limx→cf(x)=L と記述する.
  参考:


形式概念解析(Formal Concept Analysis )
 形式概念解析とは,
  参考:Susanne Prediger, "Formal Concept Analysis for general objects", Discrete Applied Mathematics, 127, p337-355, 2003


意志決定の階層分析法(AHP: Analytic Hierarchy Process)
 AHPとは,Analytic Hierarchy Processの略で階層分析法と訳される意志決定の数値的分析法.国内ではAnlytic Hierach Processと表記されているものもあるがおそらく間違い.アメリカの数学者Thomas Saaty教授が1970年代に提唱.  「意志決定問題」→「評価基準」→「代替案」の順で階層的に分析することから名付けられた手法.  例えば,問題:商品購入,評価基準:「性能」「デザイン」「価格」,代替案:「D1社」「D2社」「D3社」.
評価値被験者の内観
1Di≒Dj
3Di≧Dj
5Di>Dj
7Di≫Dj
9Di≫≫Dj
Fig.1 被験者による
聞取結果と評価値
D1D2D3
D1159
D21/517
D31/91/71
Fig.2 あるCにおける
一対比較行列
 主観を数値化する際に,「a社の性能は90点でb社は50点」などと数値化することは難しいが「a社の性能はb社よりもすごく良い」などと 評価することは容易である.評価基準をC,代替案をD,添え字をi,j,やや良いを≧,良いを>,かなり良いを≫,絶対良いを≫≫で表す. 各Cについて全てのDの組合せ(i≠j)を取ってきて被験者にどちらが優れているかを尋ねる. (Fig.1) その際,DjとDiの関係はDiとDjの関係の逆数で表す. そうして得られた得点をFig.2のように表す.それを行列Mとし,固有値(eigenvalues),固有ベクトル(eigenvectors)を求める. 固有値の絶対値が最大となるものを主固有値,主固有ベクトルという.(n行n列の行列において一般的に固有値はn個,固有ベクトルもn個存在する.) 主固有ベクトルの各要素の合計が1となるよう正規化したものを評価基準Ciの重要度ベクトルWC,iとする. WC,iは評価基準Ciにおける各代替案の優劣の重みを表している. 次に,各評価基準の重みを主観やアンケート結果により決める.例えば「性能は0.5」「デザインは0.1」「価格は0.4」. 評価基準Ciの重みをWiとする. 各代替案について Σi(Wi WC,i)を計算し,最大となる代替案を 採用する.これがAHPによる意志決定である.以下私見であるが,同質のものに上下関係が在ることを「階層的」と私は呼びたい.AHPは 「意志決定問題」→「評価基準」→「代替案」という異質のものを扱う際の処理の順番を上下として「階層的」と呼んでいることに 違和感を強く感じる.トップダウンという呼び方の方が相応しい気がする.
 ANPとは,Analytic Network Processの略で,階層的にトップダウンだった処理の方向を持つAHPとは異なり, ネットワークのようにしたものである.具体的には代替案側からの評価基準の重みの評価を考慮する. リーダーを選ぶ問題において,指導力と経済力の2つの評価基準を用いるとき,AHPに加えて, リーダー候補D1とD2から見たWiを考慮するということである.   参考:Thomas Saaty L., "Decision Making for Leaders", Pittsburgh: RWS Publications, 1990


ウェーバーの法則(Weber's law)
 ウェーバーの法則とは,刺激の変化量の検出は現在の刺激量に依存するという法則.(ドイツの生理学者Weberによって1840年代に発見された.) Rを現在の刺激強度,Rからどれだけ刺激強度が変化したら強度が変化したことに気づくかの変化量を儚をとした時, 儚/R = C (Cは定数) の間系が成り立つ.  人間の5感全てについて成り立つとされる.例:最初に100gの重りを持っている時,その重さが110gになったら, 重さの変化に気が付く人は,最初に200gの重りを持っている時,その重さが220gになったら,重さの変化に気が付く.
 ウェーバー・フェヒナーの法則(Weber-Fechner's law)とは,知覚強度を扱えるようにウェーバーの法則を拡張したもので, Sensoryは感覚強度,儡ensoryを感覚強度の変化量,αとβを定数とした時,次の関係が成り立つ.  儡ensory = α 儚/R (解釈:知覚強度の変化量は,刺激強度Rに反比例する.)  これを両辺について積分すると次式を得る. Sensory = α log(R) + β (解釈:知覚強度は,刺激強度Rの対数となる.ウェーバー・フェヒナーの法則)  悪臭における知覚強度に関する実験で有名になった.ちなみに彼は悪臭に関してはα=0.33だとしている.
  参考:Weber Ernst Herinrich (1795-1878), Fechner Gustav Theodor (1801-1887)


フラクタルとベキ分布
フラクタル(fractal)とは
 定義:自己相似性(self-similarity)が在ること.自己相似性とは,観測のスケールを変えても同じ性質を持つこと.それはつまり, 性質が「ベキ分布」であること.
ベキ分布(power distribution)とは(別名フラクタル分布(fractal distribution))  P(≧m)∝P(≧αm), mは観測の尺度, P(≧m)∝m ベキ分布の例としては,「石灰岩を破壊した時の破片の体積とそのクラス大きさ の破片の個数」や「人間の所得とその所得帯の人々の数」,「銀河の質量とその質量クラスの銀河の数」などがある.
非整数次元とは
 例えばコッホ曲線は長さ1の線分を端から1/3の所と2/3の所を削り,そこを補うように長さ1/3の直線を2本あてがってつなげ,長さを4/3にするといった操作を 全ての直線部分に再起的に実行することによって構成される.このとき,最初の長さを1としたが,1回処理が終わると長さは4/3となり,処理を n回繰り返すと(4/3)nの長さを持つことになる.よって,limn→∞での極限は長さが∞となる.普通の曲線は 点の連続で構成され,点と点の間隔を極限まで縮めると,それは直線になっているという仮定の下であるから,微分ができた.(その直線の傾きを 求める.)しかし,このフラクタルの場合では,極限まで間隔を狭めても,そこは直線にはならず折れ曲がっている.つまり,微分ができない.  別の例では「シェルピンスキ−の三角形」があり,正三角形を用意して黒く塗りつぶす,それぞれの辺を2等分する点3つを結んで最初の正三角形の中にもう一つの 正三角形を作る.真ん中にできた正三角形を切り抜く.すると,その周囲に黒く塗りつぶされている3つの正三角形ができる.それぞれの黒く塗りつぶされているところに 同じ操作を無限回行うことができる.このとき,最初の正三角形の辺の長さの合計を1とすると,1回の操作で,辺の長さの合計は3/2倍となる. n回の操作で(3/2)nの長さとなる.よって,limn→∞での極限は長さが∞となる.さらに,その極限で,黒く塗りつぶされている 部分の面積は0となる.1次元の度量である長さは∞となり,2次元の度量である面積は0となる.これが,1次元でも2次元でもないといわれる 「非整数次元」といわれる理由である.


脳部位とその機能・投射関係
眼窩前頭皮質(orbitofrontal cortex)とは
 ●嫌な味と感じる時と,好きな味と感じる時で活動の差がある.(PET,fMRI)  ●サルの脳において,黒質緻密部(SNc: substantia nigra pars compacta)と共に強化学習のTD誤差に似た応答を示す細胞が見つかった場所.  参考:W. Schultz & L. Tremblay & JR. Hollerman, "Reward Processing in Primate Orbitofrontal Cortex and Basal Ganglia.", Cereb Cortex Mar; 10(3), 272-284, 2000  ●眼窩前頭皮質に障害がある人と無い人に、実際に金をかけてルーレットゲームをしてもらう実験の結果, 障害がある人は「後悔」を示す感情が極めて低く,負けも大きなマイナスになった. コンピューター画面上の2つのルーレットのうち,一方を選びクリックして回す. 結果が出た時,もう一方のルーレットを選んでいた場合の結果を知らせた場合と,何も知らせない場合で 気持ちの良しあしを11段階評価してもらった実験による.  参考:N. Camille & G. Coricelli & J. Sallet & P. Pradat-Diehl & J-R. Duhamel & A. Siriguhoice, "The Involvement of the Orbitofrontal Cortex in the Experience of Regret", Science 21 May 2004; 304: 1167-1170, 2004 投射元:投射先:
大脳小脳(Cerebrocerebellum)とは
 ●下オリーブ核からの登上繊維(criming fiber)を教師信号とし内部モデル獲得の教師有り学習を行っている可能性が示唆されている. 投射元:大脳皮質全般 投射先:歯状核(dendate nuclei)  参考:"Principles of Neural Science 4th Edition", Chap 42, 846-847


単語認知に関する知見
単語優位効果(Word Superiority Effect)とは  例:単語[work]の構成文字[k]は非単語[owrk]の構成文字[k]よりも知覚されやすい.   文献:G. M. Reicher, "Perceptual Recognition as a Function of Meaningfulness of Stimulus Material.", Journal of Experimental Psychology, 81, 274-280, 1969
語彙性効果(Lexical Effect)とは  曖昧に発音された音素列を聞いた時,それらのまとまりが出来るだけ単語になるように知覚しようとする現象.   文献:W. F. Ganong, "Phonetic categorization in Auditory Word Perception.", Uournal of Experimental Psychology: Human Perception and Performanse, 6, 110-125, 1980
音素復元効果(Phoneme Restoration Effect)とは  単語内のある音素をビープ音などの他の音素で上書きしても,上書きされ,実際には存在していない音素をハッキリと聞き取ることが 出来る.(錯覚の一種)   文献:R. M. Warren, "Identification Times for Phonemic Components of Graded Complesity and for Spelling of Speech.", Perception and Psychophysics, 9, 345-349, 1971
表現形態効果とは  瞬間的に呈示した場合の認知成功率は,[snapshot]=64.8%, [SNAPSHOT]=60.4%, [SnapSHoT]=47.9% となった.   文献:M. Coltheart and R. Freeman, "Case Alternation Impairs Word Identification.", Bulletin of hte Psychomonic Society, 3, 102-104, 1974
頻度効果(Frequency Effect)とは  一般に出現(使用)頻度の高い単語ほど認知されやすい.語彙性判断時間,音読潜時も早くなる.   参考:阿部 純一, "人間の言語情報処理―言語理解の認知科学", サイエンス社, 1994
 眼球運動測定によって各単語の注視時間を測定した結果によると「認知に要する時間は,単語長には関係なく, 出現頻度の負の単調関係にある.」とされる.つまり,高頻度語に置いては頻度の差が大きくても注視時間の差は少ないが, てい頻度語に置いては頻度の差が少しでも注視時間に大きな差があるということである.   文献:M. A. Just and P. A. Carpenter, "The Psychology of Reading and Language Comprehension", Newton, MA: Allyn and Bacon.
単語・非単語効果(Word-Nonword Effect)とは  非単語を非単語と認知するには単語を認知するのよりも長い時間が掛かる.   文献:M. Garnham, "Psycholinguistics; Central topics.", London; Methuen., 1985
疑似単語効果(Pseudoword Effect)とは  例:[crpwe]と[brane]はどちらも非単語であるが,[brane]の方が英単語としてありそうな性質を持っている.この場合, [brane]の方が非単語であるとわかる時間が遅くなる.   文献:
プライミング効果(Priming Effect)とは  語彙プライミング効果(Lexical Priming Effect)や意味的プライミング効果(Semantic Priming Effect)ともいう.  事前に入力された語がそのあとに入力された語の認知に影響を与える効果で,促進(Facilitation)と抑制(Inhibition)がある.  一般に連想関係の強い語においてプライミング効果も大きい.   文献:R. F. Lorch, "Priming and Searching Processes in Semantic Memory: A test of three models of spreading activation", Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, Vol 21, 468-492, 1982
連想関係(Associatiove Relation)と意味的関係性(Semantic Relatedness)  連想関係とは単語間での共起関係.意味的関係性とは単語間の意味的属性の共有関係.両者は重なっている場合もあるが,どちらか 一方の関係しか持たない単語もある.では,連想関係を持たずに,意味的関係性しか持たない単語対の場合プライミング効果はおこるのか? [boy]と[prince]の意味的関係性を持つ単語対によって語彙性判断時間が促進されるという結果が報告されている.しかし,同時に音読課題では促進の効果が減少するとも報告している. 連想関係にある単語対では音読課題の場合でも優位に促進されたという.   文献:M. S. Seidenberg & G. S. Waters & M. Sanders & P. Langer, "Pre- and Post-lexical Loci of Contextual Effects on Word Recognition.", Memory and Cognition, 12, 315-328, 1984
 記憶の想起の早さはその連想頻度に依存する.
  参考:阿部 純一, "人間の言語情報処理―言語理解の認知科学", サイエンス社, 1994


意味ネットワーク(Semantic Network)とは
 概念をノードとして表し,ノード間のリンクに概念間の関係(例:上位概念,下位概念など)とその強度を持たせたネットワークである. おもに,文章の意味解析に用いられる.
◆Thomas Brown (1920) 色々な概念ノードを,ラベル付けされた「リンク」により接続。
◆Otto Selz (1926) 意味ネットワークをたどって推論をすることが可能であることを指摘。
◆Quillian の意味ネットワーク(1966)  計算機上に意味ネットワークを初めて実装した.
◆Winston の意味ネットワーク(1975)  概念をノードとして表し,概念間のリンクに「One-part-is」や「Opposite」「A-kind-of」などの関係を対応させ た.しかし,リンクではなく概念のノードとなっている「関係」もあり,何をノードとし,何をリンクとするのかは 明示されていない.  参考: P. H. Winston,(1975), "Learning Structual Descriptions from Examples", in Psychology of Computer Vision, McGraw-Hill: New York., 157-209, 1975
◆Brachman の意味ネットワーク(1985) KL-ONEは 階層がた継承ネットワーク (Structured Inheritance Network)であり,ノードは Concept,リンクは Role と呼ばれる. Concept は Primitive Concept とそれらの特徴を継承し与えられる Defined Concept に分けられる. 利点は 1.表現力が高い. 2.Role 間の関係を Structural Description で記述可能  弱点 1.複雑すぎる. 2.表現力がある代わりに健全性と完全性が軽視されている.   文献:R. J. Brachman and J. G. Schmolze, "An overview of the KL-ONE knowledge representation system",Cognitive Science 9(2), 171-216, 1985
◆Sowa の意味ネットワーク(1986)Conceptual Graph はグラフベースの知識表現システム である.利点は 1.どんな Conceptual Graph も 一階述語論理に変換可能. 2. 自然言語の意味を簡潔に表現しやすい. 3.推論に適している. 4.計算機で扱いやすい.   弱点 1.知識表現としての能力は低い.   文献:J. F. Sowa and E. C. Way,"Implementing a Sementic Interpreter Using Conceptual Graphs", IBM Journal of Research and Development 30(1), 57-69, 1986



オントロジー(Ontology)とは
 本来オントロジーは哲学用語で「存在に関する体系的な理論=存在論」であった. Ontolinguaの提唱者である Tom Gruber によると 「An ontology is a specification of a conceptualization.」(概念化における明示的な既訳)という定義(
URL)であるが 「研究者の数だけオントロジーの定義がある」というのが2004.06の現状.
  参考:溝口 理一郎, "オントロジー工学の試み", 第12回人工知能学会全国大会 AIレクチャ, 1998
 ソフトウェアエージェントが共有できる「概念および概念間の関係」の記述をオントロジーという.近年人間と計算機が共有すべきもの. セマンティックウェブの構成要素.オントロジー記述の標準言語にOWLがある.強いオントロジー:意味論の厳密さを重視.弱いオントロジー:記述の容易さを重視.
  参考:加藤 義清, "Webインテリジェンスとインタラクション用語集", 日本知能情報ファジィ学会誌 Vol.18 No.2, 2006


概念の表現(Representation of Concept)
記号化概念の文脈依存性
基底レベル(basic level)
プロトタイプ
帰属度(メンバーシップ),

 典型性とは,その事例の典型性=プロトタイプへの近さである.  ある事例I が属するカテゴリー C において,Cに属する他の事例との類似度が高く, C以外に属する事例との類似度が低いほど,事例 I の典型性は高い.とする.  文献:B. Berlin and D. E. Breedlove and P. H. Raven, "General Principles of Classification and Nomenclature in Folk Biology", American Anthropology, 75, 214-242, 1973
 人の概念はプロトタイプの周囲に族類似性(Familiy Resemblances) に基づいて構造化される.また,事例の典型性は 同じカテゴリー内の他の事例と共有する特徴の数が多く,他のカテゴリー内の事例と共有する特徴の数が少ないほど 増加する.  文献:E. Rosch and C. B. Mervis, "Familiy Resemblances: Studies in the Internal Structure of Categories.", Cognitive Psychology, 7, 573-605, 1975
 プロトタイプは複数の事例におけるいくつかの特徴の組み合わせの同時出現の経験から生成されるとする考え方が最も有力.
 フレーム(Framework)とは,  1975年に Minsky が提案した概念の表現法の一つで,意味ネットワークと一対一対応のつくコンピューターに 処理させるのに向いた表現法.あるフレーム(概念)はいくつかのスロット(属性)を持ち,その値をフィラー(filler) (属性値)(スロット値)という.あるフレーム(例:果物)は上位フレーム(例:食べ物)や下位フレーム(例:リンゴ) を持ち,階層構造を形成する.上位フレームの持つフィラーを下位フレームは継承(inheritance)し,その性質を受け継ぐ.   文献:M. Minsky, "A Framework ofr Representing Knowledge", in Winston(ed.) The Psychology of Computer Vision, McBraw-Hill, 211-277, 1975

レストランのスクリプト  スクリプト(Script)とは,  1977年に Schank と Abelson により提案された時系列における知識(常識)を記述する枠組み.  レストランのスクリプトが有名.「レストランに入る>座る>メニューを見る>注文する>しばらく待つ>食べる>会計をする>店を出る」 の一連の知識.   文献:R. C. Schank and R. P. Abelson, "Script, Plans, Goals, and Understanding", Lawrence Erlbaum, 1977

 概念依存理論CD(Conceptual dependency)とは,  Schankが提唱した.フレームにおけるスロットに対応する考えである素行為(Primitive Act)がある.   文献:R. C. Schank, "Conceptual Information Processing", North-Holland Amsterdam,1975
 Cobweb などの水平方向における様々探索の評価指標.   文献:M. Lebowitz, "Correcting erroneous generalizations.", Cognition and Brain Theory, 5, 367-381. ,1982

  参考:日本ファジィ学会編著,"講座ファジィ7 知識情報処理とファジィ",日刊工業新聞社,1993



眠気と前頭前野活性の相関(Correlation between drowsiness and activity of prefrontal areas)
 35時間眠らなかった人の言語課題遂行中の脳活動をfMRIで測定した.前頭前野の活動と眠気の度合いとの間に正の相関が見られた. 前頭前野の活動が高い人ほど,眠気を感じながら課題を行っていた.
  文献:Sean P. A. Drummond, et al., Altered brain response to verbal learning following sleep deprivation, Nature, 403: 655-657, 2000


脳内可視化技術(brain imaging technic)
 EEGとは,脳波検査(EEG: electroencepharography,-gram)のことで, 頭に電極をつけて脳の電気活動を測定する.観測対象は細胞膜の電位変化ではなく, それらによって引き起こされる細胞外イオン電流である.主として,頭皮と平行に規則正しく並んでいる錐体細胞(pyramidally cell)の シナプス後電位(EPSPとIPSPの双方)の総和を見ていることになる.(錐体細胞は主に頭皮と垂直にデンドライトとアクソンを伸ばしているがその他の細胞は ランダムな方向に電流が流れると仮定すると打ち消し合うため) 大脳表面から深さ1センチ程度までの活動を見ていることになる. 測定法は基準電極誘導法(電気活動の絶対値を測定)と,双極誘導法(2点間の電極の電位・位相差を測定)がある.   脳波の種類 デルタ(δ)波:0.5〜4未満 Hz :新生児に優位,シータ(θ)波:4〜8未満 Hz ,アルファ(α)波:8〜13未満 Hz :後頭部で優位, ベータ(β)波:13〜25 (18〜30・40未満とする人もいる)Hz ,ガンマ(γ)波:30 Hz以上  δ・θ波を徐波(slow wave),β・γ波を速波(fast wave)という. 睡眠時:浅い眠りではθ波と睡眠紡錘波異常が交互に出る.深い眠りではδ波とθ波が混ざって出る。   異常な脳波:棘波(spike wave),鋭波(sharp wave),棘徐波複合,三相波,   正常な成人からは数10μV(=10-6Volt)の振幅が得られる.   時間分解能=リアルタイム,空間分解能=悪い,備考:空腹や眠気,頭皮の汚れなどの影響を受けやすい.
 MEGとは,磁気脳造影(撮影)図(MEG: Magnetoencephalogram 又は Magneto-EncephaloGraphy)のことで, 通常液体ヘリウムなどの低温液体冷却された超伝導量子干渉素子(SQUID:Superconducting Quantum Interference Device)を 脳の周りに配置して,超伝導状態にして脳内の電気活動に伴って発生する10-15 Tesla(fT)の微少な磁場の変化を 検知する.それに基づき脳内の電流の流れを計算・予測して 可視化する.時間分解能=0.005〜0.1秒程度,空間分解能=2〜10mm程度,備考:液体ヘリウムはとても高価で年間2000万円くらいかかる.
 CTとは,コンピュータ断層撮影(CT: Conputed Tomography)のことで, レントゲンと同じX線を人体に照射し,人体の輪切り画像を得る.空間分解能=5mm程度, 脳のある平面に対し,あらゆる方向からX線を当ててある地点のX線透過度を数学的に推定する.備考:検査時間は15〜30分位
 OTとは,近赤外光トポグラフィー(NIRS-OT: Near Infra-Red Spectroscopic Optical Topography)のことで,多方向から光ファイバで近赤外線を脳内に照射し,反射して出てきた光を 測定する.成人でも毛髪や頭蓋骨を通過し,25〜30mm程度の灰白質や白質まで到達し反射する. 酸化・還元ヘモグロビンの吸収スペクトルの違いを利用して濃度変化予測し脳内血流量を計算する. 780nmと830nmの波長を使い分けて解析する.(等吸収点は800nm近傍にある). 時間分解能=0.1〜3秒程度,空間分解能=8mm以上,備考:被験者がある程度動くことが出来,装置などに閉じ込められず,騒音もない環境で検査が出来る.
 PETとは,陽電子放射断層撮影(PET: Positron Emission Tomography)のことで,通常FDG(代謝されないブドウ糖類似物質 2-deoxy-fluoro-D-glucose)に半減期110分のフッ素放射性同位元素 F-18 で標識された18F-FDG を注射する.(酸素や炭素を標識したものもある.) 血流に乗って糖は脳内に運ばれ,活動した細胞に多く取り込まれる.放射性同位元素が出す陽電子が陰電子と合体・消滅し 強い放射線を180度方向に2本放射する.これを脳の周りに配置した検知機で検知し,糖の取り込まれた3次元部位を可視化する. 酸素15(陽子8中性子7半減期123秒)を用いた水で標識していた時代もある. 時間分解能=100秒以上,空間分解能=5〜10mm程度,備考:絶対的な血流量に比例する.病巣を浮かび上がらせる.
 SPECTとは,(SPECT: Single Photon Emission Computed Tomography) のことで, PETと同じように放射性薬剤を体に投与して、その分布の断層像として撮影する核医学検査だが,PETと違い,Tc-99mやGa-68などで 標識された物質を体内に投与する.
 MRIとは,磁気共鳴画映像法(MRI: Magnetic Resonance Image)のことで, 核磁気共鳴現象(NMR: Nuclear Magnetic Resonance) という物理現象を用いて,人体の断面図を画像化する.体内に多く存在する水素の原子核(陽子1つ) に注目する.磁場をかけてスピンを制御.スピン方向が元に戻るときに電磁波を発生.四周に配置したディテクターでその電磁波をキャッチ. 発生位置を推定.これを繰り返すことによって水素原子核の脳内濃度を画像化する.
 fMRIとは,機能的磁気共鳴映像法(fMRI: functional Magnetic Resonance Image)のことで, BOLD contrast法(BOLD: Blood Oxygenation Level Dependent)に基づき,局所血流量の変化を測定する.どの部位で酸素が 消費されたのかをRS信号として検出する.血液中のヘモグロビンには,酸化型(oxide)と還元型(de-oxide)があり,神経細胞が活動すれば多くの酸素を消費するので, が増え酸化型が減り還元型が増えることになる.「脳酸素代謝率」とは,この比率のことで,これをMR信号として読み取る.  時間分解能=0.8〜10秒程度,空間分解能=1〜5mm程度,備考:相対的な血流量を可視化.1992年に原理の提案

  参考:インターネット


オートマトンと形式言語(automaton and formal language)
Chomsky の階層
0型文法
句構造言語 (0型)
aAb→c
(a,b,c∈(N∪T)*,A∈N)
チューリングマシン
(TM: Turing Machine)
 無限のメモリが必要.解析が不可能な場合がある→停止問題(halting problem)
文脈依存文法
文脈依存言語 (1型)
aAb→cかつ|aAb|≦|c|
(a,b,c∈(N∪T)*,A∈N)
線型拘束オートマトン
(LBA: Linear Bounded Automaton)
 解析可能(受理可能)であることが証明されているが,解析計算量は指数オーダー.
文脈自由文法
文脈自由言語 (2型)
A→a
(a∈(N∪T)*,A∈N)
プッシュダウンオートマトン
(PDA: Push Down Automaton)
 解析計算量はO(n3).
正規文法
正規言語 (3型)
A→a
(a∈T∪NT,A∈N)
有限状態オートマトン
(FSA: Finite State Automaton)
 解析計算量はO(n).

 文法 G(Grammer)は,G = (N,T,P,S) で定義される. N: 非終端記号(通常大文字で表記)の集合.T: 終端記号(通常小文字で表記)の集合. P: 書き換え規則の集合.S: 開始記号(最初の非終端記号).
  


失語(aphasia)
 ブローカ失語とは,意味のあるが短縮した発話. 冠詞・前置詞・機能語の欠落.構文を理解する必要のある 文章は理解できない.例1:少年はリンゴを食べる.例2:彼女は彼より背が高い.例1は少年とリンゴと食べるの意味の間に  ウェルニケ失語とは,文法は正しいが無意味な文を流暢に話す.  失読症とは,意味のあるカナは読めるが,無意味なカナは読めない. 角回がやられていると「冷蔵庫」は読めるが,「れいそうこ」は読めない.「カナリヤ」は読めるが,「かなりや」は読めない. 角回がやられているので1文字1文字は読めないが,単語まるごとは別の場所で行っている.  「かな」は角回あたりで処理されている.(わりと確か) 「漢字」はそこより下.  伝導失語症とは,語を反復できない.
  参考:慶応大学湘南藤沢キャンパス 自然言語論 担当者 石崎 俊


ブローカ野(Broca area)
 ブローカ野は舌,あご,唇,声帯の筋肉を制御する運動野に隣接している.
  参考:慶応大学湘南藤沢キャンパス 自然言語論 担当者 石崎 俊


言語優位脳(language dominant hemisphere)
 一般的に左半球にブローカ野(発話に関係)やウェルニッケ野(意味理解に関係)がある.その機能を有する半球を 言語野という.ウェルニッケ野(Wernicke area :41,42野)から角回(angular gyrus :39野)を介して ブローカ野(Broca area :44,45野)をつなぐ脳内の経路を弓状束(arcuate fasciculus)と呼ぶ.
 言語優位脳はどちらにあるか? アメリカでは男性の男の10%,女性の7%が左利きで,右利きの人のうち, 95%が左半球に言語野があり,左利きの人は70%が左半球に言語野がある.
  参考:慶応大学湘南藤沢キャンパス 自然言語論 担当者 石崎 俊


シグモイド関数の式(sigmoid function)
α=5 α=1  f(x) = 1/(1+exp(-α x))
 (x=0でf(x)=0.5となり,α=1で線形っぽい傾き,α=5くらいで右肩上がりのS字を描く.最大値は1最小値は-1となる単調増加関数:  右図)  ちなみに,tanh(x) = (exp(x)-exp(-x))/(exp(x)+exp(-x)) より,  1 + tanh(α x/2) = 1 + (exp(α x/2) - exp(-α x/2))/(exp(α x/2) + exp(-α x/2)) = 2exp(α x/2)/(exp(α x/2) + exp(-α x/2)) = 2/(1 + exp(-α x))  つまり,f(x)=1/(1+exp(-α x)) = (1/2)(1 + tanh(α x/2))


作業記憶(working memory)
 Baddeley and Hitch, 1974 は従来の短期記憶の考え方では音韻情報と視空間情報の処理が異なった経路で行われているという事実を  説明できないとして作業記憶(working memory)の考え方を提唱した.
  文献:Darlington TK, Wager - Smith K, Ceriami MF, et al; Closing the circadian lopp; CLOCK-induced transcription of its own inhibitors per and tim, Science 280: 1599-1603, 1998


サーカティアンリズム(概日周期(circadian rhythms))
 周期が20時間未満をウルトラディアンリズム(ultradian rhythm)といい,20〜28時間のものをサーカディアンリズム(circadian rhythms) ,28時間以上のものをインフラディアンリズム(infradian rhythm)と呼ぶ.ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の研究において これらのリズムは遺伝子によるタンパク質発現の周期によってなされているとされている.
 ショウジョウバエの時計遺伝子のフィードバック転写調整(per遺伝子に関する発振仮説) 発振分子PERとTIMの生産を促進する 因子CLOCK(Drosophila CLOCK,別名JRK)及びBMAL1(Drosophila BMAL1,別名CYCLE)がくっつきCLOCK/BMAL1ヘテロダイマーとなり遺伝子上の PERまたはTIMをコードしている部位の上流にあるE-boxに結合してPERまたはTIMの転写を活性化する.転写されたPERは核外で DOUBLETIME(DBT)によってリン酸化され,後にTIMと結合し,PER/TIMヘテロダイマーとなる.それが核内に入り,CLOCK/BMAL1ヘテロダイマーの 働きを抑制して転写を止める.これが一連のサイクルのメカニズムであるとされている.ほ乳類についてのリズムはまだ,説明されつくされてはいない.
  文献:Darlington TK, Wager - Smith K, Ceriami MF, et al; Closing the circadian lopp; CLOCK-induced transcription of its own inhibitors per and tim, Science 280: 1599-1603, 1998


一語文期・一語発話期
 生後10〜13ヶ月(平均12ヶ月)から始まる.幼児が一語だけを発話する期間.例:「ママ,ママ」など.(同じ語を繰り返すのは2語ではない.)   第一言語が英語の子供が最初に獲得した50語を調べた研究において,それを一般名詞, 固有名詞,行為語,修飾語,個人・社会語,機能語に分けた時(大人の判断で分類),この順で語彙数(使用頻度ではない)が多く,名詞が65%を占めた.
  文献:Nelson, K. E. & Bonvillian, J. D.,"Concepts and words on the 18-month olds: Acquiring concept names under controlled condition", Cognitive Science, 2, 1973


子供の能力成長
 受精後34週の胎児は純音(一つの周波数からなる)と複合音(複数の周波数の合成音)が区別できる.
  文献:夏山 英一,"胎児の聴覚反応", 日本医師会雑誌, 107, 1623-1630, 1992
 生後1ヶ月の乳児は「pa」と「da」の区別できる.
  文献:Eimas, P. D. ,"Speech Perception in early infancy", In L. B. Cohen & P. Salapatek(Eds.), Infant perception: From sensation to congnition val. 2. , Academic Press., 1975
 生後6ヶ月の乳児は生物と無生物を動きから分類できるらしい.
 生後18ヶ月の子供ではものを分類する能力と名称の獲得との間に相関が見られる.
  文献:Gopnik, A. & Meltzoff, A. N.,"Categorization and naming: Basic level sorting in eighteen-month-olds and its relation to language.", Child Development, 63, 1091-1103, 1992
 臨界期:7,8歳くらいまでに言語に触れないとなかなか言語を獲得できない.母語の臨界期と第2言語の臨界期がある.臨界期までに 第2言語に触れた人を「早期バイリンガル」(2つの言語をブローカ野で処理)といい,それ以後のバイリンガルを「遅延バイリンガル」 (2つめの言語はブローカ野よりも少しずれたところで処理)という.(ウェルニケ野は早期も遅延も同じように処理)
  参考:慶応大学湘南藤沢キャンパス 自然言語論 担当者 石崎 俊


ケアリの試算(Carey,1978)
 1歳半から6歳の子供は1日あたり9個の語彙を獲得する.
  文献:Carey S. ,"The child as word learner." In M. Halle, J. Bresnan & G. Miller (Eds.), Linguistic theory and psychological reality. MIT Press. , 1978


共感覚(Synesthesia)
 五感のある刺激に対して複数の感覚を感じること.例えば,味に形を感じたり,形と臭いが対応したりする感覚.
  文献:Richard E. Cytowic著 山下 篤子訳,"共感覚者の驚くべき日常 -The Man Who Tasted Shapes-",草思社,2002


ペンローズ予想(Penrose Estimation)
 Roger Penrose@ケンブリッジ大学 は「脳を理解するには,現在の科学では不可能で,量子力学の根本性質に関わる 新しい理論を用いる必要がある.」と予想した.脳の働きがニュートン力学と量子力学の中間にあるような新しい科学に よるものであるという主張.
  文献:James Trefil著 家 泰弘訳,"人間がサルやコンピューターと違うホントの理由 -脳・意識・知能の正体に科学が迫る-",日本経済新聞社,1999


カオス(Chaos)
 無秩序や混沌と訳されるが,秩序はある.カオス系は非線形系である.(多くの非線形系はカオス系ではない.) 初期状態の変化によってその時間発展が敏感に変化するというのがカオス系の特徴.そのため無秩序のように見えることもある.
  文献:James Trefil著 家 泰弘訳,"人間がサルやコンピューターと違うホントの理由 -脳・意識・知能の正体に科学が迫る-",日本経済新聞社,1999


おばあちゃん細胞(A Grandma Cell)
 自分のあるおばあちゃんを見た時にのみ発火する1コのニューロンが脳内にあるとする考え方や,その細胞を指す.
  文献:James Trefil著 家 泰弘訳,"人間がサルやコンピューターと違うホントの理由 -脳・意識・知能の正体に科学が迫る-",日本経済新聞社,1999


チューリングテスト(Turing Test)
 アラン・チューリング はあるコンピューターに知能がある言えるかどうかの指標の一つを提案した.知能一つの定義とも取ることができる. 姿の見えないコンピューターと人間と判定者(人間)で,好きな時間だけ様々な事柄について話すことが出来る. (コミュニケーションの手段は何でも良い.例えばキーボードを用いたチャットなど.) その結果,判定者は話していた相手がコンピューターであるか,人間であるかを判定しなくてはならないが, それが判定できなかったり,相手がコンピューターであったにもかかわらず人間であったと答えたら,そのコンピューターは 知能があるとする.
  文献:James Trefil著 家 泰弘訳,"人間がサルやコンピューターと違うホントの理由 -脳・意識・知能の正体に科学が迫る-",日本経済新聞社,1999


中国語の部屋
 哲学者ジョン・シアール@カリフォルニア大学 は「中国語の部屋」という議論を行った.(何語でもいいが自分の知らない言語) 部屋の中に外から質問が次々に渡される.書いてある内容はわからないが,「手引き書」があり,ある漢字の羅列にはある漢字の組み合わせを 出力するように書いてある.どんな質問に対しても,その手引き書を探し,そこにあるように出力を出せば,部屋の外にいる 人から観測すれば,その部屋の中にいる何かは中国語を理解しているように見える.例え,部屋の中の人がただの一言も中国語を 理解していなくても.つまり,チューリングテストに合格したからといって,そのコンピューターが 知能や意識を持っていることには成らないという例
  文献:James Trefil著 家 泰弘訳,"人間がサルやコンピューターと違うホントの理由 -脳・意識・知能の正体に科学が迫る-",日本経済新聞社,1999






参考文献 (Reference)
  1. 日本ファジィ学会編著,"講座ファジィ7 知識情報処理とファジィ",日刊工業新聞社,1993
  2. Richard E. Cytowic著 山下 篤子訳,"共感覚者の驚くべき日常 -The Man Who Tasted Shapes-",草思社,2002
  3. James Trefil著 家 泰弘訳,"人間がサルやコンピューターと違うホントの理由 -脳・意識・知能の正体に科学が迫る-",日本経済新聞社,1999
  4. 錦見 美貴子著,"言語を獲得するコンピュータ 日本認知科学会・編 認知科学モノグラフ11",共立出版株式会社,1998
  5. 栗原 俊彦 and 中村 昭,"情報科学講座 A・2・1 論理数学 I -数理論理学-",共立出版(株),1975
  6. 樋口 龍雄 and 亀山 充隆,"多値情報処理 -ポストバイナリエレクトロニクス- Multiple-Valued Digital Processing System",昭晃堂(株),1989
  7. 林 晋,"コンピューター数学シリーズ3 数値論理学 Mathematical Logic",コロナ社(株),1989
  8. Ernest Nagel and James R. Newman著 はやし はじめ訳,"数学から超数学へ -ゲーデルの証明-",白揚社(株),1958



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